日本に足りないその先の教育と受け皿


寒さが本番を迎えるこの季節、戦々恐々として受験を待つ学生も多いことだろう

▼村上春樹の作品中で、勉強とは物事を系統的に順序立てて考える訓練だという台詞が出てくるが、社会に出れば、好き嫌いも関係なく取り組まなければならない理不尽な仕事など山のようにある。一見意味がなく思える学問でも、それらを繰り返し道筋立て処理することは、その時に困らないための訓練なのだ。と。では、頭がいい人とは一体どのような人を指すのだろうか?

▼日本の教育は、教科書の内容をどれだけ覚えられたかということを重要としていて、それがどのように活きるのかを問題にしていない。つまり暗記力のいい人=頭がいい人という基準で学力が測られている。高校教育が特にそうだが、とにかくたくさんの情報を覚えこむことしかしないため、何のために勉強しているのか、何もわからずに大学に入ってしまう人が大半だろう

▼世界基準で行われているPISAという学力テストがある。これは学校で身に付けた知識をどのように実生活で活かせるかを問題としていて、教育先進地であるヨーロッパ諸国では、知識を自分で身に付け、それを応用できる人=頭がいい人という基準で教育を図っている。今の日本の知識を重んじるだけの評価基準では、個性が偏り多様性を備えた組織が生まれない。野球で言えば、全員4番打者タイプばかり育成しているようなものだ

▼応用力は失敗から学ぶことの方が多いと、かつて受験に失敗した先輩としてアドバイスを送りたい。合否で決まるのは、所詮その進学の合否だけである。夢を描ければ、道はひとつではない。


text_Eto Yuji
12/01/10 00:00/拍手(18)

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